使える数学を目指して!

数学って何のために勉強するの?という人を減らすためのブログです。お役に立てたならば幸いです。

式の展開(受験数学の基礎)

 高校受験、大学受験が近づいてまいりましたので、ここらあたりで、受験数学において確実に身に付けておきたい、受験数学基礎シリーズをやっておこうと思います。基礎なので、受験生であれば身に付けておいて当たり前!なのですが、意外と身についていない人もいる、そういう部分が最後の最後で大きな差になるんですよね。

 

 ここに書くことは基礎なので、これだけを身に付けたからと言ってすぐに点数に反映されるわけではありませんが、確実にマスターしていただければ、間違いなくその差は目にみえるようになります。今回は、式の展開です。

 

 式の展開は、要はバラバラにしたらよいので、これが出来ないという人は少ないと思います。しかし、スラスラ確実にできますか?まずは、以下の式を展開してみてください。展開すると4次式になるので、中学生は少し躊躇するかもしれませんが、びびることはありません。ただの展開です。

 

f:id:learn-for-fun:20181226171957j:plain

 さて、出来ましたか?まずは、お勧めしない方法です。

f:id:learn-for-fun:20181226173704j:plain

  展開は出来ていますが、これだと時間がかかってしまいます。何故時間がかかるかというと、頭を使わずに展開しているからです。では、どうすれば、時間がかからずに済むかというと、先を予測しながら展開すればよいのです。それぞれの文字の係数を暗算しながら展開すれば、かなりの短縮になります。では、お勧めの方法を。

f:id:learn-for-fun:20181226174456j:plain

 お分かりになりますでしょうか?(かっこ)の部分は、出来れば暗算できるようになってもらいたいところですが、どうしても暗算が苦しければ、このような感じでかいてもらっても構いません。

 

 上の展開との大きな違いは、こちらの方が、整理整頓された形で展開されているということです。細かいことを言っているように感じるかもしれませんが、式が複雑化してくると、とたんに効果が表れます。下の展開はいかがでしょうか?

f:id:learn-for-fun:20181226201043j:plain

 これは、数Ⅱで勉強する、3次方程式の解の公式につながるものです。これを、係数を拾いながら暗算する癖がついていない人は公式の丸暗記をすることになります。丸暗記はミスの可能性もありますし、何より苦しいですね。意味のない丸暗記は苦しいだけです。係数を拾って暗算する習慣のある人であれば、公式を覚える必要がなくなります。私も覚えていません。とは言え、やっていたらこれくらい嫌でも覚えますけど。

 

f:id:learn-for-fun:20181226203426j:plain

 そもそも式の展開とは、上の式で言うと、ABCのそれぞれのかたまりの中から一つづつ項を選んで掛けたものが新たな項になるというものです。

 

 例えば、Aでx、Bでx、Cでxを選んで掛け合わせると、x^3(xの三乗)になります。

 

 同じく、Aで(-α)、Bでx、Cでxを選んで掛け合わせると、(-αx^2)(マイナスアルファエックスの2乗)になり、同様に考えると、x^2(xの二乗)の係数は、-α、-β、-γの3つ存在することが分かります。よって、それらをすべて足し合わせると、x^2(xの2乗)の項が出てきます。以下、xの項も、定数項も同様に計算して、上のような結果になります。

 

 私が文章力がないので上手く伝わったかは疑問が残りますが、式の展開のときに、気を付けて欲しいのは、頭を使わず機械的に展開するのではなく、先を予測しながら係数を拾って暗算しながら展開して欲しい!ということです。先を予測しながら解いていくという癖は、問題を解いていく上で、大いに役に立つことでしょう。

 

 ここに書いたことは本当に細かいことですが、これを中学生の頃から身に付けておくと、大学受験のときなどにとても役に立つと思いますし、受験の時だけでなく、普段の勉強のときなども計算スピードが格段に上がりますから、他の子よりも勉強時間が短くて済むというメリットがあります。スピードが2倍速ければ、他の人が10時間かかるところが5時間で済みます。これは大きいと思いませんか?

 

 しばらくの間、受験数学基礎についてのエントリーを書いていこうと思います。これらは、学校の授業では教わらないことが多いと思います。学校の授業では理解することが先決で「いかに速く解くか」は教えませんからね。や予備校や家庭教師を利用されていない方は、是非、ここで習得してください。

 

 誤解されないように一応書いておきますが、これは決して学校批判ではありませんよ。学校と家庭教師などは役割が違いますからね。くれぐれも誤解なさらないように。