使える数学を目指して!

数学って何のために勉強するの?という人を減らすためのブログです。お役に立てたならば幸いです。

2019年度大学入試センター試験の感想(数学ⅠA)

 昨日行われた、センター試験の数ⅠA数ⅡBをとりあえず解いてみました。詳しい解説は、大手の予備校が模範解答を作るでしょうから、それまで待った上で、面白いなぁと思った部分に関しては後日解説しようと思っておりますが、本日は解いてみて抱いた感想を書いておくことにします。予備校も感想を書きますが、当たり障りのないことしか書けないでしょうから、代わりにビシッと書いておきます!

 

 単刀直入に言いますと、今回のセンター試験の数学は、ⅠAⅡB共に、残念な内容でした。あくまでも個人的な感想ですが、大学の先生が集まって、自分の研究は横に置いて、1年間かけて作り上げるセンター試験ですから、期待していた分、がっかりしたことは否めません。

 

 もちろん、「あ、これは面白いなぁ!」という部分もありました。でも、個人的に期待していたのは、2021年から始まる新テストの、大学入学共通テストを意識したものになっているかという部分です。数学は考えるための道具ですから、使ってなんぼなわけです。きちんと定義から理解して、それを使いこなせているか、というのを試すような、ワクワクする問題を期待したのですが、そういう問題は少なく、残念でした。

 

 一応、自分へのメモも兼ねて、問題の感想をひとつづつ書いておきます。今日は数ⅠAの感想を。

 

(第一問)

[1]ルートの2乗を外すときに絶対値をつけて外せたかどうかが最大のポイント。見慣れた問題なので場合分けは難しくないし、方程式も単純な1次方程式で、平凡。この手の問題はグラフを利用すると簡単に解けることもあるけど、グラフを描いた方が手間がかかってしまう位の低レベルな方程式だった。

[2]論理と集合。前半は「または」の意味が分かっているかだけを問う問題。後半の必要十分条件も何のひねりもない問題。ひねりがなさすぎて、引っかけがないか2回くらい確認してしまった。

[3]2次関数。単純な平方完成と平行移動の問題。最大値も問われるけど変域無関係の小テストレベルの問題。

(第二問)

[1]三角比。余弦定理、相互関係、面積、180°ーθの三角比、面積比というありきたりな問題。過去問演習していない子は180°ーθの三角比なんかは解けなかったかもしれませんが、演習している子は、最後の面積比の利用以外は解けたはず。

[2]データの分析。ヒストグラムと箱ひげ図、箱ひげ図と散布図に関する問題。どちらもびっくりするくらい簡単な問題。

 

第一問の最初からここまでは全体的に簡単すぎて、正直「センター試験やる気失くしたのか?」と思っていましたが、(3)の変数変換の問題は、変換の関数の中に標準偏差が入っていてちょっと難しく見えるけど、定義を利用して考える必要のある良くできた問題だと感心しました!最後の散布図も含めて良い問題。

 

(第三問)

確率の問題。最初は簡単だけど、(3)の誘導が、経験のない人には難しく感じた可能性が高い。理系の人で2次試験対策の勉強してた人ならば、漸化式と確率のパターンと考え方は同じなので迷わないと思うけど、文系の人や2次試験対策をまだしていない人にはちょっと厳しかったかも。あとの条件付き確率は簡単だったけど、(3)を突破しないと解けないので、ここで差は付いたと思われる。

 

(第四問)

整数の問題。1次不定方程式は在り来たりなパターン。その後もそんなに難しくないけど、(1)から(4)の最初までが最後の問題を解くための誘導になっているというよく練られた問題。ただし、それに気づけば完答できたはず。難しくはない。

 

(第五問)

図形の性質。よく見る流れの問題なので難しくはないけど、手際よく解けたかどうか。

 

 以上です。途中まではびっくりするくらい簡単だったので、新テストが始まるまでに浪人生をあまり出さないようにするための配慮か?と思いましたが、後半は少し難しくなりました。取れるところを確実に取れば、70点は取れたと思いますが、90点以上取るのは少し難しかったかもしれません。