使える数学を目指して!

数学って何のために勉強するの?という人を減らすためのブログです。お役に立てたならば幸いです。

全パターンを書き出せば良いという考え方

 場合の数を効率よく数えるために、「順列」や「組合せ」などの考え方や公式などを理解して使いこなすことは、数学を使うことのひとつだと思うのです。もちろん、これらの考え方や公式に限らず、他にも数学ではたくさんの定理があります。

 

 これらを使いこなす機会で一番多いのは数学の問題を解くときなのかもしれません。このブログで書いていきたいのは、実生活で使える数学であることには違いないのですが、問題を解くときも意外と使える数学があることに気づいていない人がいます。それは、模範解答よりも素敵な解法に気づくというハイレベルな話(も、ごくたまにありますが)ではなく、せっかく便利な公式や考え方があるのに、それを理解したり覚えたりするのが面倒だからという理由だけでそれを使わないという人がいるという話です。

 

 こういう話は数学だけに限ったことではなく、せっかく便利なものがあるのに、「面倒だし、使わなくてもやっていけるから使わない」という話は世の中にたくさん溢れていますね。現金主義の日本では、海外では主流のQRコード決済の普及が遅れていることなども同じ理由ですね。最近やっと普及し始めましたが。

 

 せっかくの公式を使わず、ちからわざで解くという手段を取る人が出てくる分野が、場合の数です。センター試験などでは特に、数え上げた方がはやい問題が出ることが多いため、公式に一切頼らずすべて書き出すという方法を取る人が結構います。

 

 もちろん、具体的に書き出すことをすべて否定するわけではないのですが、公式や考え方を理解して覚えるのが面倒だからというのは、数学を否定しているように私なんかは感じてしまって、少し残念な気持ちになります。ということで、今回は、何も考えずに全パターンを書き出すと大変な目に合うこともあるということを伝えようと思います。宜しければ、以下の問題を解いてみてください。

 

(問題)ロト7とは、1から37までの数字から7つの数を選び、それが当選番号とすべて一致したときに1等賞金6億円を山分けできる宝くじです。ロト7の当選番号を全パターン書き出して何通りあるか数えるとき、どれくらいの時間がかかるか算出せよ。ただし、1組7つの数字を書くのにかかる時間を、どんな数字を書いたとしてもひとつあたり1秒、1組7秒かかるものとする。

 

 計算してみましょう。組合せの計算は、公式を使いますが、詳細はこちらのエントリーで理解してください。

www.math-everyday.com

 公式を利用して場合の数を計算すると、10,295,472通りになります。この1通り(1組)を書くのに7秒かかるとするので、この7倍の秒数かかります。つまり、72,068,304秒ですね。1日24時間は、86,400秒ですから、これで割ると、834.1238・・・日となります。

 

 なんと、一睡もせずに数えたとしても、2年と3ヶ月半かかるのです。一日8時間睡眠取ったら、3年5ヶ月以上かかります。ゾッとしますね。

 

 ちょっとは伝わりましたでしょうか?公式などは覚えたり理解したりする必要があるので、面倒に感じてしまうのも無理はありませんが、使えば覚えます。使わないから覚えないのです。便利な道具はバンバン使って身に付けましょう!