大学入学共通テストのプレテストの問題を解いてみた感想その12(数1A第5問前半)
第5問は、図形の性質です。
ある2つの三角形の合同を示すことで、AB'=CXを示す、と誘導してくれています。実は、選択肢をよくみることで答えを出すこと自体は難しくはありません。何故ならば、示したいのがAB'=CXなので、辺AB'と辺CXを含む三角形の組合せを選べばよいからです。選択肢の中で辺AB'と辺CXを含むものは、⓪①③⑥⑦です。これらをひとつずつ検証してみると、合同な三角形っぽくなるのは、⓪と⑦の組合せのみですし、実際、これらが答えです。
些細なことですが、こういう風に必要条件から絞り込むという考え方は数学的な考え方ですし、使える数学です。必要条件っていうのは、簡単に言うと、「少なくともこの条件を満たす必要がある」という条件のことです。詳しい説明はこちらのエントリーをご覧ください。
というわけで、きちんと証明しなくてもとりあえず答えを求めることは出来るのですが、生徒にやらせてみたら意外と手こずっていたので、下に証明を載せておきます。
分かりにくい部分もあるかもしれませんが、作図しながら考えていただけると分かりやすいと思います。次はちょっと長い文章なのでつらいと思いますが、頑張って読んでください。
長文でしたがどうですか?上記の「定理」が少しややこしいと思いますが、実はそこまでよく意味が分かっていなくても、(キ)までの答えは選ぶことが出来てしまいます。
しかし、「定理」の意味が分かっていないと最後の問題でつまづくことになると思われます。「定理」の部分は少しややこしく感じると思うので、今回はスルーしましょう。
今、求めたいのは、PF+QF+RFが最小となるような点Fの場所なのですが、点Fが弧PQ上にあるとすると、問題1で証明したようにPF+QF=SFとなるので、PF+QF+RF=SF+RFとなります。このとき、SF+RFが最小となるためには、3点S,F,Rが一直線上に並べばよいので、点Fは、上図の点Tになります。
以上のことから、(ウ)⑤ST、(エ)(オ)②R③S、(カ)③弧PQとなります。
(キ)に関しては、問題文にあるように、∠QPRを大きくしていくと、線分RSと弧PQが交点を持たなくなりますから、そのギリギリの点を考えると、下図のような状態になります。
図より、(キ)は④120ですね。
第5問前半部分はここまで。答え自体は簡単に求まりますが、その背景にある証明や、必要条件から絞り込む考え方について解説してみました。後半の次回は、問題文に書かれた定理を利用して考え直し、解いてみたいと思います。
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