使える数学を目指して!

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場合の数の考え方(かつとまたは)

 場合の数を計算で求めていくときに、順列、組合せ、階乗の公式や考え方を使う(個人的には順列の公式は使いませんけど)のですが、実はもっと使っている考え方があります。これは、公式化していないだけで、計算としてはバンバン使っています。無意識に。今回は、これを説明して、是非、無意識ではなく意識しながら使っていただきたいと思います。

 

 その考え方とは、「かつ」と「または」です!タイトルでバレバレですが。

 

 覚えておきたい結論を先に書きますと、「かつ」は掛け算、「または」は足し算です。とても単純ですが、実はこれには落とし穴(後半に解説します)もありますので、是非、理解した上で使いこなしていただきたいと思います。

 

 具体例を挙げながら説明します。

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 図のように、A地点からB地点を経由してC地点に行く経路は全部で何通りあるでしょうか?まず、考えてみてください。

 

 もちろん、「ひとぉつ、ふたぁつ・・・」と数えても良いのですが、いつもここに書いているように、それは数学を使っていることにはならないので、今回は簡単ですが、数学(算数)を使います。大きく分けて二つの考え方があります。

 

 まず、一つ目。AからBまで行く方法は2通り、BからCまで行く方法は3通りありますから、AからBまでの道1通りあたり、BからCで3通りずつあるのですから、合計は、2×3=6通り(答)ということになります。

 

 このとき、AB間で2通りかつBC間で3通りあるので、「かつは掛け算」ですから2×3と考えるとスムーズです。これがひとつ目でした。かつが掛け算である理由です。

 

 2つ目は、AB間を上の道を通ったとき、BC間では3通りあります。AB間で下の道を通ったときも、BC間で3通りあります。これは、AB間の進み方で、上を通ったときと下を通ったときとで場合分けして考えたとも言えます。そして、上を通った場合と下を通った場合とを合わせると、3+3=6通り(答)となります。これは、上を通るかまたは下を通るかとも言えて、「またはが足し算」であることが分かりました。

 

 どうでしょうか?少し回りくどく感じたと思いますが、これが、かつとまたはの考え方です。無意識で使うのではなく、意識して使うことで、難しい問題にも対処することが出来ます。

 

 さて、上でも書きましたが、実は、この考え方には落とし穴があるときがあります。例えば、こんな問題。良かったら解いてから読んでみてください。

 

 (問題)40人からなるクラスの中で、ペットで犬を飼っている人が21人、猫を飼っている人が17人、どちらも飼っていない人が14人います。犬または猫を飼っている人は合わせて何人いるでしょうか。

 

 まず、前提として、犬または猫というのは、犬と猫のどちらか一方だけという意味ではなく、犬猫合わせてという意味です。

 

 さて、いかがでしょうか?解けましたか?正解は、26人です。38人ではありませんよ!

 

 この問題で言いたかったことは、単純に、「またはは足し算」だから21+17ではないということです。犬も猫も飼っている人がいますから、そこをダブルカウントしてしまっているので、除く必要があります。

 

 しかし、犬も猫も飼っている人が何人なのかを今回与えられている情報から知ることは出来ません。どうしましょうか。

 

 犬も猫も飼っていない人数が14人だと分かっていますから、全人数40人から14を引けば、犬または猫を飼っている人人の人数が直接求まりますね。

 

 今回のようなダブっている部分があるときは、そこを考慮に入れる必要があり、ダブっている部分がないときは考慮する必要がありません。複数の事象がダブっていないとき、「それらの事象は排反」と言います。

 

 この「排反」という考え方も大事ですね。よく、「独立」と間違えている人がいるので、次回は「排反と独立の違い」について書こうと思います。

 

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