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十分条件と必要条件とは

 高校の数Ⅰで勉強する論理と集合という単元がありますが、ここは苦手な人が多い単元です。中でも、十分条件、必要条件っていったい何よって人が多いと思っています。このエントリーでは、「十分条件」「必要条件」の説明と、その問題の解き方、さらにあまり学校では説明を受けない、言葉の意味について書いていきます。

 

 「十分条件」「必要条件」という言葉の意味の説明の前に、命題、真偽について説明を書いておきます。

 

 命題とは、真偽がはっきり定まる文のこと(〇✖がはっきり言える文のこと)です。

(例)ナイル川は日本の川である→明らかに偽なので命題とは言える(偽の命題)

(例)金持ちならば幸せだ→真とも偽とも言えないので命題とは言わない

 

 大丈夫ですね?では、説明に入ります。命題を、「AならばB」という風に読み替えます(A⇒Bと書きます)。そして、その命題が真のとき、「AはBであるための十分条件であり、BはAであるための必要条件」と言いますが、少しややこしいですね。もっとシンプルに言うと、Aの部分に書いてあるものを「十分条件」Bの部分に書いてあるものを「必要条件」と言うと思っていただいて大丈夫です。簡単に言うと、たったこれだけのことです。

 

 例えば、「福岡⇒(ならば)日本」という真の命題において、福岡が十分条件で、日本が必要条件です。ざっくり言うと。簡単ですね。これを図に表すと、下のようになります。

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 この図を見ると明らかですが、 位置関係で内部にあるものが十分条件で、外部にあるものが必要条件、ただそれだけです。そして、矢印が内部から外部に向いているとき、その命題は真となります。例えば、日本ならば福岡という命題は偽ですね。何故ならば他の県もありますから(これを反例といいます)。

 

 どうでしょうか?結構シンプルにまとめましたので、こんな感じで問題を解いていけばよいのかなと思います。覚えるべきことは「福岡ならば日本」と「内部が十分条件、外部が必要条件」だけです。

 

 ちなみに、十分条件であり必要条件であることを必要十分条件と言いますが、これは、例えば「現在(平成30年12月1日)、日本の首相ならば安倍晋三」という風に、イコールの関係があります。日本の首相ならば安倍晋三だし、安倍晋三ならば日本の首相ですよね。A=Bのとき、AはBであるための必要十分条件と言います。もちろん、BはAであるための必要十分条件とも言えます。

 

 最後に、十分条件と必要十分条件の言葉の意味ですが、これも「福岡⇒日本」で説明しようと思います。福岡が十分条件で、日本が必要条件でしたね?

 

 例えば、福岡に行きたい外国人の人がいるとすると、この人は福岡に行くためにはまず日本に入国する必要がありますよね?内部と外部があるとき、内部の条件を満たす前に外部の条件を満たす必要がありますね?なので、外部の条件を必要条件と言うんです。

 

 一方、日本に行きたいっていう外国人がいたとして、今、どこにいるんですか?と聞いたときに、「福岡です」と言われたら、「え?もう十分日本にいますよ」ってなりますね?つまり、内部の条件というのはすでに十分、外部の条件を満たしているので、内部の条件を十分条件と言います。

 

 いかがでしょうか?こんな感じで必要条件、十分条件の言葉の意味を理解しておくと、日常会話の中でも使えるからちょっと格好いいですね!「いや、それは必要条件に過ぎませんよね」とか言いたいものです。少なくとも、なぜかよく分からんけど覚えておこうとかいう無意味なことにはならずに済みますね!

 

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