基礎を理解し覚えるためのおすすめの教材(数学)
昨日書いた「教材を使いこなすとは」というエントリーの続きです。
詳しくは上記のエントリーを見ていただきたいですが、数学に限らず何でも、マスターするために必要な段階があって、数学で言うと、
1.基礎を理解して覚える
2.スタンダードな問題の解法を理解して覚える
3.覚えたことを使いこなす訓練
が、必要です。
料理で言うと、
1.道具や器具、設備の使い方を理解して覚える
2.スタンダードな料理の作り方を理解して覚える
3.覚えたことを使いこなして色んな料理を作り出す
という感じになるでしょうか。料理で例える必要はなかったかもしれませんが、要するに、何にでも通じる、何かをマスターするには基本的な流れがあるということを言いたかったのです。
話を戻しまして、今日は、基礎を理解し、覚えるための、お勧めの教材について書こうと思います。
ずばりお勧めは、「教科書」です。教科書が優れている理由を書くと、
1.解説が簡潔で無駄がない(裏を返すと不親切)
2.定理や公式の証明が載っている(裏を返すと理屈っぽい)
3.例題、練習問題がそこそこの数、掲載されている(欲を言えばもっとあっても良い)
だいたいこんな感じです。掻い摘んで言うと、重要なことがシンプルに載っているので、文章を理解するのに時間はかかるかも知れないし、試行錯誤しながら問題を解いていかないといけないかもしれないけど、それらを含めて、しっかりと自分の頭で考えることがふんだんに用意されているので、とても勉強になる!ということです。
今は、色んな問題集が本屋さんに溢れかえっていますが、実は、教科書が一番優れていると私は思っています(理由は上記の太字)。
しかし、教科書をしっかり読み込むことができない生徒が、今は、たくさんいます。数学者の新井紀子さんの著書「AI vs 教科書が読めない子どもたち(東洋経済新報社)によると、3人に1人が簡単な文章を読めていないというデータがあります。私も教育現場で教えていて、これは実感しています。
なので、どうしても教科書を自力で読み解いていくことが苦しい場合は、私は、「白チャート(数研出版)」をお勧めしています。黄チャートや青チャートを学校で購入させられている人が多いようですが、それは使ってもよいですけど、「基礎を理解し覚えるため」には、間違いなく、白チャートの方がお勧めです。人によってはプライドが邪魔するのか、白チャートを敬遠する人がいますが、私は、それは愚かだと思います。
何のために、どの教材を使うのか、それが一番重要なのですからね!