使える数学を目指して!

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大学入学共通テストのプレテストの問題を解いてみた感想その2(第一問〔3〕)

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出典:大学入試センター

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出典:大学入試センター



 問題自体は難しくありませんが、学んだことを使いこなせるかという部分を試すのに良い問題だと思います。問題文を読み終わったあと、解ける人は1分で解けるでしょうけど、情報を整理できない人はモタモタしてしまうことでしょう。ざっくりと問題文を読めば、不等式を立てる必要があることはすぐ分かります。ポイントは、気を付けるべき条件と、どの文を利用して式を立てるかという部分でしょう。

 

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出典:大学入試センター



 不等式を立てるのは、赤色のラインを引いた部分です。文字xを用いて蹴上げの長さを表現し、それを18cm以下にするという式を立てるところが最大のポイントです。では、蹴上げの長さを、文字xを用いて、どう表現すればよいのでしょうか?そこは、青色のラインを引いていますが、「33°の三角比を用いて」とありますから、それを守る必要があります。当たり前ですが、57°の三角比などを用いてはダメです。三角比は、sin、cos、tan、ですね。今回は、踏面の長さに対して、蹴上げの長さが、tan33°倍になっていますから、蹴上げの長さは、xtan33° cmとなり、これが18cm以下という不等式を解く必要があります。それに加えて、踏面の長さは26cm以上という条件もありますから、答えは、

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となります。恐らく、「踏面の長さに対して、蹴上げの長さが、tan33°倍になっていますから、蹴上げの長さは、xtan33° cmとなり」の部分が分かりにくいと思いますので、ここは丁寧に書いておこうと思います。

 

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 上図と下図の三角形は相似関係(拡大縮小の関係)にあります。上図で三角比を理解している人が多いと思いますが、実用的なのは下図の方です。これは、いわゆる単位円にも含まれている考え方ですが、意外と知らない人もいるかもしれません。下図において、底辺の長さを1と置いたとき、高さにあたる部分がtanθになっていますから、これは、「高さは底辺のtanθ倍」と言えます。

 

 細かいことですが、こういう風に、知識を使いこなせる状態で覚えているのかどうかを、大学入試共通テストでは問われることになっていくと思われますので、新テストで大学受験を考えている人は、そういう心構えが必要になっていきますし、勉強するときも単純に解法を丸暗記するのではなく、なぜそうなるのかを考えながら勉強して、常に使いこなすための準備をしている意識が必要ですね。