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大学入学共通テストのプレテストの問題を解いてみた感想その1

 現行の大学入試センター試験が廃止となり、2021年から新テストの「大学入試共通テスト」が始まります。そのための準備として、昨年からプレテストなるものが作られており、今年(2018年)も、今月11月に第2回プレテストが、全国で約8万人を対象として行われました。数学を教えている身として私も解いてみましたが、今日はざっくりとした感想を書いておこうと思います。

 

 その前に少しだけ、大学入試共通テストというものが何なのか、ご存じない方のためにざっくりと概要を書いておきます。

 

 現行の知識偏重の大学入試制度を廃止し、思考力や表現力を図るための試験を実施することを目的として、新テストは行われます。具体的な変更点は、英語においてTOEICなどの民間試験を利用するということと、共通テストにおいても記述式のテストを導入するという2点です。

 

 今月行われた新テストの第2回目のプレテストを、私は、現時点で数1A、数2Bの2科目を解きましたが、思ったことは大きく分けて2つあります。

 

 まず一つ目は、難易度について。これ、結構難しいんじゃないでしょうか?確かに、思考力を試す、学んだことを使いこなすことができるか、学んだ数学を考えるための道具として使えるのか試すという観点から見ると、とてもよく考えられた素晴らしい問題だと思うのですが、果たしてあの分量をあの時間で解けるのかというとかなり疑問です。実際、私は時間内には解けませんでした(お恥ずかしい)。

 

 二つ目、記述式の問題がおまけ程度に載っていること。これ、記述式にする意味ある?っていう問題で、記述式導入するって言ったから入れました感が半端ないです。しかも、数1Aで約30問中たったの3問、数2Bでは0問。昨年に行われた、第1回目のプレテストで記述式を盛り込みすぎて難易度が高かったと判断したのか、やっぱりガチの記述式だと採点に手間がかかるからなのか(多分こっち)、どちらにしても本末転倒と言わざるを得ない問題でした。

 

 今回の問題を解いてみて分かったことのまとめを書くと、

1.思考力を試す問題は素晴らしい出来だった(数1A2Bともに)。

2.記述式を導入せずとも思考力を試す問題は作成可能。今回のような問題だけで表現力を図れるとは思えない。

3.結局、今までのセンター試験のままでも思考力を試す問題は作れるし、改革のための改革になりそう・・・

 

 具体的な問題についての感想は、明日から少しずつ書いていきます。