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速さって何?(受験数学の基礎)

 今回は、速さについて解説しようと思います。速さって何?と小学生に聞かれたら何と答えますか?意外と困ってしまう方が多いかもしれません。速さとは何か、何故、難しく感じてしまうのかについて書いてみます。

 

 結論から行きましょう。速さとは、単位時間当たりに進むことのできる距離のことです。これが定義なのですが、少し分かりにくいですね。もっと具体的に説明すると、例えば、時速30kmとは何か、1時間で30km進むことのできる速さのことです。こう考えるとそんなに難しくはないのですが、何故、速さとは何か?と聞かれたら答えるのが難しく感じるのか、少し考えてみました。

 

 きっとそれは、速さの表現方法が、勉強で教わることと、実際に使われているものとでは違うときがあるからなのではないでしょうか?

 

 勉強では、小学校5年生から速さを学びます。そのときは上に書いたように、1時間で進める距離を時速〇km、1分で進める距離を分速〇kmのように学び、その値が大きいほど速いという風に教わっているはずです。

 

 ところが、実際、速さを体験する50m走ではどうでしょうか?50mという決まった距離を短時間で進めるほど速いという風に、速さというものを扱ったはずです。そして、どちらかというと、感覚的には、この、同じ距離を少ない時間で進める方が早くて、時間がかかる方が遅いという方が、速さをイメージしやすいのではないでしょうか?

 

 ですから、勉強で急に数字が大きいほど速いというイメージがわきにくく、勉強のための勉強に成り下がってしまっているのではないかと思っています。1時間で進める距離をイメージするようになるのは、免許を取って車に乗るようになってからかもしれません。

 

 小学校でも工夫して、同じ時間で遠くまで進めるってことは、同じ距離を進むのに短時間で進めるんだから、速いってことよね?みたいに、実生活の感覚に合わせた教え方をしていれば、その考え方になじめるのかもしれませんが、高校生になっても速さと言われてピンときていない生徒がいることを考えると、小学校のときに丁寧に教わっていない生徒が多いのかもしれません。ただ話を聞いていなかっただけかもしれませんが。

 

 小学校のときに教える速さの公式も、教育上よくないんじゃないかと思っています。小学校のときに頑張って考えさせた経験があるのかないのかは、結果的に理解できていなかったとしてもその影響は大きいのではないかと思っています。

 

 何故そうなのか分からないまま、「はじき」で教えてしまったことで、「なぜそうなのか分からないけど、覚えたら良いんでしょ?」という試行回路を作ってしまい、意味も分からず丸暗記するという無駄な勉強に疑問を持たず非効率な勉強をしてしまう中学生高校生を作り出してしまっているのではないでしょうか?ちょっと大げさ?

 

 明日は、速さが分からない小学生、中学生、高校生のために、速さに関する計算について理解してもらう記事を書こうと思います。