成績が上がるのに時間がかかり、上がるときは一気に上がる理由
大学入試センター試験前ということで、しばらくは、受験にまつわることを書いておこうと思います。勉強していて、その効果を感じ取れるものとして最も分かりやすいのは、模試などのテストに依るものだと思いますが、勉強してもしてもなかなか模試の成績が上がらないといった経験、成績を上げたことのある人は皆経験済みなのではないでしょうか?なかなか成績が上がらなくても、少しずつでも成績を上げるための勉強を続けていけば必ず成績は上がるのですが、やはり、効果が表れにくくなると、人は継続を怠ってしまいがちです。
なので、教える側としてはその辺りを考慮しつつ、効果を感じさせることが出来るような仕組みを、模試以外に用意する必要があります。この、変化を感じやすくする仕組みに関してはまた別のエントリーで書きますが、今回は、そもそも何故、成績が上がるのに時間がかかるのか、これについて書きます。
この、「何故、成績が上がるのに時間がかかるのか」を理解しておけば、途中で挫折するという事態を避けることが、もしかしたらできるかもしれません。少なくとも、理解した状態の方が、頑張りやすいはずです。是非、参考になさってください。
ただし、これは、あくまでも私個人の考えであり、公共機関の科学的根拠があるわけではございませんので。あらかじめご了承ください。信じるかどうかはご自身で決めてくださいね。
分かりやすくするために、平成30年の大学入試センター試験の過去問を用いて、具体的に説明してみます。
このようなパターンは、よく出るとは言い難い、恐らくほとんどの受験生が初見のパターンだったと思います。本番でも模試でも、少しはこういう初見の問題に出くわすと思います。実はこれが、私の考える、成績が上がるのに時間がかかる理由その1です。これは、数ⅠAの初っ端の問題です。これで躓いてしまうと、この後の問題にも精神的に影響を及ぼします。きっちり解いて、次につなげたいところですが、それは敵も分かっているので、精神的な揺さぶりを仕掛けてきたとみて良いでしょう。まず、「見たことのない問題が出てきても動じない心」が欠かせません。この境地に達するには演習の経験を積むしかありません。頭で動じるな!と思っても経験不足だと動じてしまいます。ですから、成績が上がるのに時間がかかるのです。
次に、正解と得点をご覧ください。
さらに、これらの得点を得るために必要だと私が考える数学の知識を以下に書きます。
(ア)式の展開、式をかたまりで捉える
(イウエ)具体的に代入して考える
(オ)代入、通分、分数の掛け算、展開
(カ)指数計算
(ア)や(オ)で得点するためには必要な知識がひとつだけではありません。これが、成績が上がるのに時間がかかる理由その2です。つまり、ひとつの設問に正解するためには、必要な能力はひとつだけではないということです。(ア)では、式の展開は出来たとしても、何も考えずにすべてバラバラにしてしまったら正解を出すことは難しいでしょう。(オ)でも同じです。意外と通分という超基礎が出来ていない受験生は一定数おります。代入は出来ても通分が出来なかったら点数にはなりません。
さらに、(ア)が出来ていないと、誘導に乗れないため、それ以降の問題すべてに答えるのが無理ということになってしまうのです。(イ)以降に正解するだけの能力があったとしても、(ア)に答える能力がなかっただけで、(イ)以降に正解する能力は、今回のテストでは、点数に反映されないということなんです。ですから、得点のために必要な知識、能力は、複数合わさって初めて得点になるっていうことなんです。
お分かりになりましたか?得点のためには一つだけではなくて、たくさんの知識、能力を必要とする。そして、その知識能力を身に付けるためにはそれなりに時間がかかる。ですから、得点として効果が表れるまでにはある一定の時間がかかるんです。でも、これは言い換えると、得点が上がるときは一気に上がるとも言えます。
以上、成績が上がるのに時間がかかる理由、上がるときに一気に上がる理由でした。気に入っていただけたら、フォローなどよろしくお願いします。
最後まで読んで頂きありがとうございました。