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数学って何のために勉強するの?という人を減らすためのブログです。お役に立てたならば幸いです。

直線の傾きとは(受験数学の基礎)

 今回は直線の傾きについて書きます。傾きとは何か?と聞かれて答えられますでしょうか?答えられない方は是非ご覧いただき、理解して、中学生に数学を教えるときにでも使ってください。

 

 傾きとは、直線の式を表現するときに用いるものなので、まずは直線の図で説明します。

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 この直線の傾きは何でしょうか?答えは2です。変数xの前に書いてある係数を傾きと呼んでいます。この傾きですが、もっと掘り下げて考えてみましょう。

 

 傾きは、別名、変化の割合と中学校では呼ばれ、(yの増加量)/(xの増加量)で計算できます。高校では平均変化率と呼びます。この、同じものなのに呼び名が変わる、出世魚みたいなシステムの意味は私には分かりません。

 

 余談ですが、放物線でも同じようなことがあって、高校では上に凸とか下に凸の放物線と言って、私が中学生のときも同じように言っていたのですが、今は何故か中学校では、下に開いている、上に開いていると言うんですよね。混乱するから止めていただきたい。本当に。

 

 さて、変化の割合(平均変化率)は、(yの増加量)/(xの増加量)でした。図で表すと、下のようになります。

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 どこでもいいから直線上の2点をとって、直角三角形作って、ざっくり言うと、よこ分のたての計算をすれば良いのです。実際は、右上がりの直線のときは傾きはプラスの値になりますが、右下がりの直線のときはマイナスの値になるので、そこは注意が必要です。

 

 さぁ、ダラダラ長々と書きましたが、ここまでが基本的に中学校で学ぶ、直線の傾きの説明です。ここからが、傾きとは何かという質問に対する私の答えです。

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 直線の傾きとは、右に1進んだときタテにどれだけ進むかです。上に進めばプラスの値になりますし、下に進めばマイナスの値になります。先ほどの説明と何が違うかというと、大きく違うのは、「右に1進んだとき」の部分です。これを意識しているかどうかが大きいわけです。

 

 勘の良い方はお気づきかもしれませんが、この、「1あたり」というのは、前回の「速さ」のエントリーでも出てきました。「三角比」のエントリーでも出てきます。

 

 さらに言うと、高校の物理で勉強する、電界(電場)や磁界(磁場)の定義でも出てきます。このように、何かの定義を考えるときに、「1あたり」というのは結構使うのです。ですから、この直線の傾きを教えるときも是非、この、「右に1進んだときタテにどれだけ進むか」という定義で広めていただけると嬉しいです。

 

 定義はシンプルに!!