使える数学を目指して!

数学って何のために勉強するの?という人を減らすためのブログです。お役に立てたならば幸いです。

平方完成(受験数学の基礎)

 これは、高校数学の基礎ですが、マスターすると中学生でも2次方程式で使える場所があります。使えるというより理解するときに簡単に感じるでしょう。高校生は必須ですね。ここでしっかりマスターして、ダラダラ何行も書くのではなく、一発で平方完成できるようになってください。

 

 そもそも平方完成とは何か、それは、以下のような形に2次関数などを式変形することです。

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 これは、平行移動の考え方につながる部分なので、平行移動した後の関数の作り方をご存じない方は、平行移動のエントリーを先にご覧ください。

 

 この平方完成は、何のために行うかと言うと、2乗のかたまりを作るためと、2次関数の頂点の座標を知るためという2つの目的があります。2乗のかたまりを作るときは、証明問題や円の方程式の式変形などのときで、頂点の座標を知るための平方完成は、2次関数を扱うときによく使います。では、具体的なやり方の説明です。以下に書くやり方が一般的です。

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(手順1)x^2(xの2乗)の係数aでくくる。

(手順2){中かっこ}でくくりxの係数を2で割り平方(2乗)のかたまりを作る。

(手順3){中かっこ}をはずす。

以上です。これだけの作業ですから、20回くらい練習すれば出来るようにはなるでしょう。

 

 ただし、注意点があります! それは、それぞれの手順で検算(確かめ)をして欲しいのです。難しいことではありません。平方完成は2乗のかたまりを作るものですから、展開したら元に戻ります。つまり、暗算で展開してみて元に戻るか確認するだけです。これも以前のエントリーで書きましたが、確かめ算がやりやすい、因数分解や平方完成などでは必ず確かめをすべきです。普段から確かめをすることで良い癖がつきますし、そのたびに計算練習問題を解いているのと同じ効果があるので、ますます計算が速くなります。良いことずくめですね。

 

 20回くらいこの手順で練習して、スラスラ平方完成が出来るようになれば、次の段階に進みましょう。次は、これを暗算で一発でやってしまいます。暗算でやると言われると、びびってしまう方がいらっしゃいますが、はっきり言いましょう。暗算でやった方が、速いし楽だし計算ミスも減ります。以下にコツを書きますので、是非参考になさってください。

 

 実際にやってもらう手順は、上の手順と同じで、同じ手順で平方完成していくけど途中を紙に書かないというだけです。説明がなかなか難しいので、具体的な関数でやってみましょう。

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 まず最初は、xの2乗の係数でくくります。上の例で言うと3でくくることになります。この時点で、②式までは紙に書きます。

 

 次に、上でやった手順2にあたる部分ですが、平方の中身を作っていきます。計算は、xの係数をxの2乗の係数で割り、さらに2で割ります。上の例で言うと、12を3で割り、さらに2で割りますから、2となります。それを書くと、③のようになります。

 

 ここまで来ると、次は④のように書いてしまい、それを頭の中で暗算して展開します(⑤のようになります)。ここで、①と比べて、確かめ算しつつ、定数の12を覚えてそれを引きます。すると、⑥のように書くことができます。あとは、①式の定数部分を加えて、⑦のように書いて、完成です。

 

 こういう流れで考えるけど、実際紙に書き出すのは、①→⑦だけです。文字式がゴリゴリ入って暗算が苦しい場合でも、①→⑥→⑦だけ書きます。

 

 これは、慣れるまでちょっと苦しいとは思いますけど、頑張って演習していくと、すぐに慣れます。慣れると、平方完成するのに10秒くらいでできます。全部紙に書き出す最初にやったやり方だと、スラスラ書き出したとしても30秒くらいはかかりますから、違いは3倍ですね。この差は大きいと私は思います。

 

 暗算とは言え、こんな感じで暗算したそばから書いていけば難しくないと思います。受験生は是非、マスターして、勉強時間も短縮していきましょう!

 

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