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幼児教育・高等教育の無償化について考える

 政府は、幼児教育の無償化について来年(2019年)10月からスタートさせることを正式に決めました。3~5歳児は原則全世帯、0~2歳児は住民税非課税の低所得世帯を対象にしています。また、高等教育の無償化については、2020年度から、大学などに通う低所得世帯の学生に、返済不要の給付型奨学金を支給することに決めました。今回は、このことについて私の考えを書いておきたいと思います。

 

 私には3歳の娘がいるため、今回の無償化の対象になっている世帯であり、法案が可決すれば、恩恵をあずかることになります。しかし、今回の決定に関しては反対です。反対の理由は幼児教育の分と高等教育の分で違うので、分けて書いておきます。

 

 まず、幼児教育無償化についてですが、これは、少子化対策として行われるものです。しかし、北欧などの教育先進国のように大学を出るまでの全ての教育費が無償であるというのであれば別ですが、小学校に上がる前までを無償にしたところで、「よし!子供作ろう!」とはならないと思うのですが、政府の皆さんは、そう思うのでしょうかね?そうであれば、私とは感覚が違いすぎます。皆さんはどうですか?

 

 幼児教育期間だけに限って考えたとしても、不安に思っているのは、預けたときの費用ではなく、仕事をしている間子供を安心して預けられるかどうかの部分ではないでしょうか?待機児童問題もそうですし、残業があるお仕事や夜遅くお仕事をされている方からしたら延長保育時間の拡大や、夜間保育所の設営の方が重要なのではないでしょうか?延長保育に関しては、ほとんどの保育園は1時間延長のみです。また、認可外保育園で夜間保育はありますけど、かなり高額です。なんのために働いているのかわからなくほどです。

 

 幼児教育期間の不安が金銭的なもの(もあるでしょうが)が二の次であると私が思う根拠として、地方自治体から給付される児童手当の存在があります。うちもそうですが、ほとんどのご家庭では児童手当は貯蓄に回しているのではないでしょうか?だって、お金がかかるのはもっと後でしょ?日本での子育てって、習い事させたり、塾に行かせるようになったり、受験するときなどに一番お金がかかるわけだから、どうせ補助してくれるんだったら、現金配るんじゃなくて、習い事や塾などの施設利用に対して割引するとか、子供の努力を援助するようなお金の使い方の方が良いと思います。

 

 次に、高等教育の無償化ですが、この給付の仕方だと、生徒のやる気だとか能力だとかに関係なく、低所得世帯に限定して給付するんですよね?それだと、やる気も能力もないけど、とりあえず行ける大学に行っとけ!みたいな生徒にも低所得世帯だからって援助するんですよね?要ります?それ。

 

 私は、所得に関係なく、本人のやる気や能力に応じて助成金を出すべきだと思います。もっと言えば、その用途を大学の授業料などに限定する必要すらないと思います。そのお金を大学進学のためのお金に使うも良いし、大学に行かないけど海外を見て回るとか、何か自分で勉強するための本を買うための資金にするとかでも良いと思います。ただし、その資金の助成を受けるためには難しい試験がある!とかの方が、国の宝である人材を作るためのお金の使い方として正しいと思うのですがいかがでしょうか?

 

 未来の日本の国力を増強させるために教育に投資するんですから、投資する対象は、やる気と能力をしっかり審査すべきだし、用途は、その優秀な生徒に決めてもらった方が良いと思います。

 

 今回の無償化には、消費税率10%への引き上げによる財源を活用して、幼児教育保育には7764億円、高等教育には7600億円の合計1兆5364億円が使われることになるようです。これ、すごい金額ですよ!だって、大学などの研究者への助成金である科学研究費補助金(科研費)は、平成30年度で合計1622億円ですよ!単純にこちらの方に使った方が日本国として有益じゃないですかね?

 

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出典:文科省HP/平成30年度科学研究費助成事業の配分

 

 もうすでに皆が大学に行く時代ではないのだから、やる気と能力がない人は大学に行く必要はないし、やる気と能力がない人が入れてしまうような大学は潰れるべきだと思います。

 

 この文章が政府関係者に届くとは思っていませんが、やる気、能力、努力を援助する税金の使い方をしてほしいと心から願っています。